能舞台
毎年、御世話になっている品川のお寺の片隅に大きな甕がありこの甕は何かな?
昔の骨壺なのかな?と思っていました。
朝、お寺に行くと参道に移動されていました。
すると、奥さんから「この甕を参道に移したのだけど、骨壺に間違える人が多くてどうにかならないかな」と言われました。
「え!骨壺ではないのですか?自分も骨壺だと思っていました。」と言うと
「昔、ここに能舞台がありその舞台下にこの甕を幾つも置いて音を響かせていたのよ!そこで唯一残ったのがこの甕で、とても希少だから舞台のあった場所に移したの」
全く知りませんでした。
後日、調べるとかつてお寺や神社の境内には能舞台があり、屋外での能が主流でした。舞台の床下に穴を掘り空の甕を上向きに吊し、足拍子の音や笛、太鼓などの音が空の甕に共鳴してより能に深みを与えていたそうです。昔の音響設備です。庭としては水琴窟が近い設備です。
そんな甕の周りに金閣寺垣を提案させて頂き、施工しました。
施工前を取り忘れましたが、ちょっとした竹垣で囲む事で何か特別な物のような感じさえします。
これで、骨壺に間違える人が減ってくれるかな!